マイライフ My life(1993/US)

C64 腎盂を除く腎の悪性新生物

【staffs】ブルース・ジョエル・ルービン監督
マイケル・キートン(Bob James)、ニコール・キッドマン(Gale Jones)、ハイン・S・ニョール(Healor Ho)
【prises】(not worth mentioning)
【my appraise】★★★-(3 minus per5)
【prot】
 若くして成功し、ロスで広告代理店を経営しているボブは、腎臓がんが全身転移し、余命数ヶ月と主治医に告げられている。そして、彼は、愛する美しい妻と彼女のお腹の中の子どもを残し、死を迎えざるを得ない運命を受け入れようとしている。
そのボブは、妻にすすめられ嫌々訪れた東洋医で、不思議な体験をし、彼の中にある「怒り」を指摘される。彼の心の旅は、自分の幼少時へと向かう…。
【impression】
 俳優の力で、どうにでもなるプロット。
 マイケル・キートンも悪くないが、もう少しなんとかしようがある気もする。ニコール・キッドマンは、美しし、上手いが、映画に力を与えるまでにはなっていない。
 「バッドマン」で売り出したばかりのマイケル・キートンと、「遙かなる大地」「デイズオブサンダー」でトム・クルーズとの共演で注目されて売り出し中のニコール・キッドマンの共演だったが、売り出し中の力は伝わってこない。
 黒澤明「生きる」よりは、内面を描こうとして、「生きる」よりも、内面を描けていない作品。結局、家庭や家族への期待や希望を無くした方が、より真実に迫られるということか。

【medical view】
 以前、ある介護関連のセミナー(参加者は高齢者の介護職がほとんど)で、講演者が、「みなさん死ぬとしたら、①がん、②ぼけ、③寝たきりのうち、どれが良いですか」と聞いたところ、①と②で半々で、③の方は誰もいませんでした。ちなみに、私も①か②で、どちらかといえば②です。とはいえ、この結果、実は、私には結構ショックでした。一般には、がんやぼけは相当恐れられているような認識があって、③の人が圧倒的に多いと思っていたからです。この結果は、回答者が専門職だからなのか、それとも一般の方の認識もそうなのかは分かりませんが。
 私が①や②が良いと思うのは、②の方は「何も分からなくなればかえって幸せ」という考え方ですし、①の方は死ぬまでの準備ができるからという考え方です。①については、千葉敦子さんの著書から相当影響を受けています(千葉敦子さんは、1980年代に、乳がんであることを宣言して、その闘病を自らレポートしたジャーナリスト。いまでは、がん宣言もめずらしくないですが、千葉さんが嚆矢といって良いでしょう。)。

 一般には、死を迎える上での精神的なプロセスとして、故キューブラロス(スイス出身の方で、フランス風に「クベールロス」と呼ぶのが粋。「ライフオブデビットゲイル」でもフランス語読みしていましたね。)の「否認と隔離」→「怒り」→「取引」→「抑うつ」→「受容」の5段階は余りに有名です。この段階通り進むのか、とか、この段階全て経過するのか、とか、色々な意見はあります。また、ロス自身が死を迎えた際に、往生際が悪かったらしく、その評価を下げている面はあるようです。ただ、死を迎える人の精神世界を理解するキーワードとしては、今なお有効と思います。
 この映画では、死を受容し、平静に死に向けた準備をするかにみえる主人公が描かれています。しかし、実際には、彼の内面では死を受容できておらず、それが、彼が幼少期からの怒りを自分の中に抑え込んできたことが明らかにされていきます。それを明らかにする手助けをするのが、東洋のヒーラーということで、まあ、「ありがち」な設定ではあります。

 ボブのがんは、原発の腎臓がんという以外の情報は映画から得られませんが、おそらく腎細胞がんでしょう。腎細胞がんは、遺伝・遺伝子の関与が大きいと考えられており、腎細胞がん多発家系が知られています。遺伝子解析も進んでおり、家系内発生を予測できるレベルにはなっています。遺伝子診断、遺伝子治療に最も近いところにあるがんの1つということでしょうか。ただ、たばこや脂肪摂取量や長期透析が危険因子となっており、少なくとも遺伝だけで説明できるがんではありません。
 エコーで比較的みつけやすいがんですし(1cm未満でも8割見つけられるそうです)、最大径5cmくらいで転移がなければ外科治療成績が良いようですから、人間ドックでエコーをやるのは重要ですね。
【tilte, subtilte】
 英語のタイトルも素直なら、邦題もそのまま。少なくとも、日本語で「マイライフ」となると、陳腐すぎて、損している気がする(クリントンをどうしても思い出してしまう)。しかし、だかといって、副題をつけるのも何だし、「遺された愛」なんてタイトルつけられてもいやだし、難しいものですね。

【books】
 近藤裕さんが「心を癒すシネマセラピー 映画が教えてくれる生き方のヒント」の中で1章をもうけて、この映画を解説しておられます。
【videos, DVDsの入手しやすさ】★
 残念ながらレンタルはビデオのみ。セルはありません。ビデオを置いているショップも多くないようです。

↓参考になったら、是非、人気ブログ投票してください↓
(アクセスすると投票したことになります)

人気blogランキングに投票

[PR]
by harufe | 2005-06-26 11:34 | ICD C00-D48新生物


<< カテゴリー(1)天才と病~14作品 ダンサーインザダーク Danc... >>