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1リットルの涙 (2004/Jpn)

G31.9 神経系の変性疾患,詳細不明(脊髄小脳変性症)

【copy】
耐えておくれ、私の涙腺よ――
悔しかったらやればいいじゃん。
負けとったら、いかんじゃん。

【staffs】監督:岡村力
出演:大西麻恵(木藤亜矢)、かとうかずこ(木藤潮香)、鳥居かほり(山本纊子)、パン屋のおばさん(松金よね子)、寮母(芦川よしみ)、木藤瑞生(浜田光夫)
【prises】(not worth mentioning)
【my appraise】★★★★-(4minus per5)
【prot】
 1977年のある日、中学三年生の亜矢は、登校途中に思いがけずバランスを失って転倒してしまう。ケガを診察した医師は、その不自然な転倒ぶりに、専門医の診察を薦めた。大学病院での診察で、亜矢の母は、彼女が脊髄小脳変性症であることを告げられる。進行性で最終的には運動機能を失う病魔に襲われた亜矢は、健気に懸命に生き抜く。
 実在した亜矢さんと彼女の母の日記・手記を原作とした感動作。
【impression】
 大西麻恵の迫真の演技が素晴らしい上に、邦画の医療映画としては、相当高いグレードにあると思います。安易なお涙頂戴作品ではなく、リアリティも設定も演技も、きちんとしていて、興ざめすることなく、亜矢さんの生き方に感動し、勇気づけられます。
 ただし、折角ここまで頑張ったのだから、大西の眉が整形され、耳にピアス穴があるのも、誰かが止めるべきだったのでは(昭和50年代にそんな中学高校生はいなかった)。あとは、舞台然としたお芝居をする役者さんがいて、やや興ざめでした。
【staffs】
 大西麻恵さんは、TVドラマ、CM、雑誌などで、時々顔を出しておられたようですが、この主演が最初の大きな役で、「新人起用」という扱いのようです。今年からグリーンチャンネルの「うまくら」でキャスターを務めておられますが、この映画の亜矢役とは全く違うイメージの、普通の可愛い女性です。ひょっとしたら、ものすご~い女優さんかもしれません。

【medical view】
 実在の亜矢さんは14歳の誕生日から20歳まで46冊にも及ぶ日記を書きつづり、25歳10か月でお亡くなりになっています。脊髄小脳変性症の説明は田辺製薬さんが作成されたパンフレットが分かりやすいです。
 ただ、同じ病名でくくっていても、発症年齢や経過も含め、相当様々な種類があります。亜矢さんの病気は、脊髄小脳変性症の中でも相当早い経過を辿っており、孤発性で多系統障害型(遺伝とは関係なく、より重症で経過が早い)のものだったのだろうと思います。脊髄小脳変性症は、神経難病の中でも遺伝の関与が大きく、その割には原因解明や治療が最も遅れている疾病の1つといえると思います。下の写真は養護学校へ転校したころの亜矢さんです。電動車椅子に使用しておられます(文庫版「1リットルの涙」より)
 ちなみに、映画にも登場していた亜矢さんの主治医は、現在の藤田保健衛生大学の山本纊子教授です(パンフレットにも病気の解説を書いておられました)。亜矢さんのお母さんは豊橋保健所の保健師で(どうして映画で全く触れていないのか不思議だが)、亜矢さんの病気をしった上で、当時厚生省特定疾患・脊髄小脳変性症調査研究班長である名古屋大第1内科教授のもとを受診、そこで当時名大勤務の山本先生に出会ったということらしいです。
【tilte, subtilte】
 映画のタイトルは原作のタイトル。亜矢さんの症状が進み、それまで通っていた県立高校から養護学校に転校する際に、「決断を自分に下すのに、少なくとも、1リットルの涙が必要だったし、これからはもっといると思います。」と書いています。そこから、このタイトルをとったのでしょう。

【books】
 原作となった亜矢さんの日記と亜矢さんのお母さん潮香さんの手記が文庫で出版されています。
【videos, DVDs入手しやすさ】-
 まだ上映中ですが、多分DVD化されることと思います。

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by harufe | 2005-07-08 21:40 | ICD G00-G99神経系の疾患


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