フラットライナーズ flatliners (1990/ USA)

救急医療

【copy】
心臓停止20秒、80秒、4分25秒…何が起きたんだ!
あまりにも危険な賭けに挑む5人の医学生。

【staffs】監督:
出演:キーファー・サザーランド(Nelson)、ジュリア・ロバーツ(Rachel)、ケヴィン・ベーコン(David_Labraccio)、ウィリアム・ボールドウィン(Joe)、オリヴァー・プラット(Randy)
【prises】(not worth mentioning)
【my appraise】★★+(2 plus per5)
【prot】
 シカゴの医大の医学生ネルソンは、死後の世界を体験する計画に同級生を巻き込む。彼らは、大学の工事中の建物の中に、除細動器を持ち込み、ネルソンを1分間の心停止後、蘇らせることに成功する。
 ネルソンに続き、ジョー、デヴィット、レイチェルが、徐々に心停止の時間を長くし、人工的に臨死体験を繰り返す。彼らは心停止の間に様々な体験をするが、蘇った後は、皆同様に、過去に犯した自分の罪のフラッシュバックや幻覚に苦しめられる…。
【impression】
 B級ホラーですが、みる価値はあります。臨死体験というのが、流行っていた頃の映画でしょうか。
【staffs】
 この映画は、「『24』のキーファ・サザーランドとジュリアロバーツがこの映画で知り合って婚約したまではよかったけれど、結局、キーファが結婚式ですっぽかされた。」ということで有名です。ジュリアがこの映画に参加した頃は、メグライアンの代役の「マグノリアの花たち」で注目され、更に「プリティ・ウーマン」で大ブレイクした頃でしたが、この映画やキーファとの結婚騒動の頃から長期低迷時代に入ります。この映画のせいにしたくなるほど、B級の映画ですが。

【medical view】
 この映画で「大活躍」するのが、除細動器(正確にいうと体外除細動器)です。医療映画やテレビではおなじみの機械ですね。「下がって!…(バン)」という例のあれです。
 心臓自身には、生理的なペースメーカーの機能があり、体の要求に従って一定の拍動をしています。ところが、何らかの理由で心臓が弱り刺激が加わった場合などに、心筋の各部分、特に心室の心筋がばらばらに興奮する状態(心室細動)になると、数分間で死に至ります。元々心臓疾患で心臓が弱っている場合や、スポーツ中の突然死などの場合に、この心室細動が起こります。こうなると昔は救いようがなかったのです。
 しかし、現在では、この心室細動の際に、瞬間的に強い電流を流す(1000分の2秒に2000~7000ボルト)ことによって、心臓が正常なリズムをとりもどすことが分かっています。これを、除細動といいます。除細動の技術は、1950年代末にベス・イスラエル病院のポール・ゾール医師が開発しました。彼の開発した除細動器は、交流除細動器であり、それを1960年代に現在使われている直流除細動器に改良・開発したのが、ノーベル平和賞受賞者としても著名なバーナード・ラウン医師です。
 除細動器の操作は大変単純で、医師でないと操作できないものではありません。ただ、心臓の状態の把握や、通電のタイミングについては、間違えるわけにいきません。特に通電のタイミングが重要で、心臓周期の前半、T波が現れるときに通電すると、心室細動になる可能性があります(このことは先ほどほどおバーナード・ラウン博士が明らかにされました)。とはいえ、このタイミング自体の判断は、熟練した医師でないと分からないというものではありません。素人でも、ちょっと教えてもらえれば、すぐ、心電図を見て判断できるようになりますし、機械的に判断することもできます(心電図の波形をコンピュータで解析して診断支援するシステムは古くからあり、医師でもそれに頼っている人は結構います)。
 であれば、心室細動による突然死はそこら中で発生していますから、救急車の救急隊員が使用できるべきです。ということで、米国では以前より、救命士が除細動装置を使うことができました。しかし、日本では、つい最近まで救急隊員が除細動装置を使うことはできませんでした。ようやく、平成3年に、救急救命士法ができ、「医師の指示の下」で、除細動することができるようになり、さらに、平成16年から個別に指示を得る必要がなくなりました。
 また、医師や救急車の到着を待っていては到底救命できない場合もありますから、駅や空港などの人が多く集まる場所や、スポーツ施設などで、医療職以外の人間が対応できるようになっていると救われる人が多くいます。日本では、平成16年7月に一般人の使用を認める報告書が出され、現在、色々なところに「自動体外除細動装置」(除細動するタイミングを機器が教えてくれるので、一般人が安全に使用できる)が設置されつつあるのはご存知の通りです(このページをみると設置場所が分かります)。また、このページが比較的正確で詳細な情報を提供しているようです。

 ところで、除細動器は、一旦心臓が止まって脳がダメージを受けた方を蘇生することも可能です。ということは、除細動器が、遷延性意識障害や脳死状態を作り出すこともにもなり、これまでなかった倫理的な問題を産み出す場合があります。「ER 緊急救命室」でも時々この問題が取り上げられていますね。

 ただ、多くの場合、除細動器の技術は、極めて単純安価に、人の生命を救える(しかも、完全に救える場合も決して少なくない)すばらしい技術であり、「医療経済」的にいっても、ある意味理想的な医療技術といって良いと思います。
【tilte, subtilte】
 Flatlinersフラットライナーズとは、「心電図のラインがフラットになった人々」という意味ですね。flatline,あるいはflatliner造語ではなく、辞書をひけば出てくる単語です。

【books】
【videos, DVDs入手しやすさ】★★★
 レンタルDVDが出ていますが、置いていないショップも多いと思います。ネットレンタルショップが便利でしょう。

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by harufe | 2005-07-26 03:42 | 基礎医学と医療制度


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