カテゴリ:ICD H00-H59眼および付属疾患( 2 )

Ray/レイ(2004/US)

H54.0 盲<失明>,両眼
H40.9 緑内障,詳細不明


【copy】
レイ・チャールズ――音楽、恋、そして人生。彼は、生きること全てにおいて<天才>だった。

【staffs】テイラー・ハックフォード監督
ジェイミー・フォックス(Ray Charles)、ケリー・ワシントン(Della Bea Robinson)、レジーナ・キング(Margie Hendricks)、アーンジャニュー・エリス(Mary Ann Fisher)シャロン・ウォレン(Aretha Robinson)、クリフトン・パウエル(Jeff Brown)、ハリー・レニック(Joe Adams)、リチャード・シフ(Jerry Wexler)、カーティス・アームストロング(Ahmet Ertegun)
【prises】
第77回アカデミー賞作品賞ノミネート、主演男優賞(ジェイミーフォックス)受賞、監督賞(テイラー・ハックフォード)ノミネート、音響賞受賞、衣装デザイン賞ノミネート、編集賞ノミネート
【my appraise】★★★★-(4 minus per5)
【prot】
 黒人の貧困家庭に生まれたレイは、幼少期の自分の弟を事故で亡くしたトラウマと、緑内障による失明をかかえながら、得意の音楽でスターダムにのし上がっていく。しかし、彼は、成功と共に女と薬にのめり込み、破滅の途を歩んでいく…。
【impression】
 本物以上に本物臭いジェイミー・フォックスの演技と、本物以上の音楽の迫力に気圧される。ケリー・ワシントンをはじめ、レジーナ・キング、アーンジャニュー・エリスといったレイの恋人役や、母アレサ役のシャロン・ウォレンといった黒人女性の魅力が光る。

【medical view】
 レイが失明した原因は緑内障ということですが、外傷や炎症によるものなのかどうかは、原作を読まないと分からないですね(読んでいない)。ただ、レイがもっと恵まれた生活環境にあったとすれば、治療の可能性があり、完全に失明しなくてすんだ可能性も高いと思われます。映画を見る限り、レイの音楽には、盲目との闘いという要素が大きいように感じたのですが、仮に、レイが失明しなかったとすれば、レイの音楽も存在していなかったという可能性があるのでしょうか。やや、複雑な心境になります。
 一般に知られる緑内障は、中高年になると発症しやすく、結構、頻度が高い病気ということです。眼圧が高くなり、視野狭窄が起こるのが特徴で、眼圧を弱めるなどの治療で可能な病気です。白内障と違って、一度失われた視覚は元には戻らないので、早期発見早期治療が重要。特に白内障の高齢者の場合、ぎりぎりまで手術をしないので、緑内障が見落とされる場合があるようで、注意が必要ですね。
わが国の失明の原因の第2位ということで、頻度も高いですし、検査もそう大変ではないですから、職場や地域の検診に取り入れても良いように思います。また、眼科がもうかるだけという気がしますが、失明者を増やすよりは社会的コストは低いことは十分想定できます。まあ、社会任せにするのではなくて、35歳を過ぎれば自分で検診に行けば良いのでしょうけれど。

【books】
【videos, DVDs入手しやすさ】★★★★★
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by harufe | 2005-06-29 12:27 | ICD H00-H59眼および付属疾患

ダンサーインザダーク Dancer in the dark(2000/DNM)

H54.2 両眼の低視力
H33 網膜剥離の疑い

【staffs】監督:ラース・フォン・トリアー
ビョーク(Selma)、 カトリーヌ・ドヌーヴ(Kathy)、デイヴィッド・モース(Bill)
【prises】
第53回カンヌ国際映画祭パルム・ドール(最優秀作品賞)受賞、最優秀女優賞(ビョーク)受賞
ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞(ビョーク)ノミネート、オリジナルソング賞(ビョーク)ノミネート
第73回アカデミー賞オリジナル主題歌ノミネート
【my appraise】★★★★(per5)
【prot】
 1960年代アメリカ。チェコから移住し、遺伝性の病気で視力をほとんど失っているテルマ。エルマは視力が更に失われていることを隠しつつ工場勤務を続け、その収入と内職のわずかな稼ぎの中から、息子には内緒で、彼の目の手術費を蓄えている。
 余裕のない生活の中、テルマには、息子と、大好きなミュージカル映画と、彼女を支えてくれる暖かい友人や隣人がいた。しかし、彼女がその隣人に秘密を漏らしたことが、裏切りと悲劇を呼ぶ…。
【impression】

 ビョークの熱演と、技工をこらした撮影が光る異色作品。幻想シーンになるとミュージカル、しかもビョーク独特の苛性的な歌声とくる。
 当時アメリカに一度も行ったことが無いというのに、想像の60年代アメリカを舞台として(ロケはデンマーク)、撮ったという、ラース・フォン・トリアーらしい逸話が残っている。アンチ・ハリウッドの遊び心なのだろうか。
 いずれにしても、一筋縄ではいかない監督と主演女優の個性のぶつかり合いが、それなりに面白い話にまとまっているのだから不思議。救いようのない暗い話ではあるが、生きた人間の息吹が聞こえる作品。好き嫌いが結構別れる作品でもある。
 アイスランドの歌姫ビョークにとって、2000年は、アイスキューブの独立3枚目のアルバム「ホモジェニック」からのラスト・シングル「オール・イズ・フル・オブ・ラヴ」でグラミー賞"Best Short Form Music Video"を獲得した上に、パルムドール・カンヌ最優秀女優賞と、メジャーの脚光を浴びまくった年であった。

【medical view】
 テルマ母子を襲う「遺伝性で失明する病気」が何なのかが気になるところです。ところが、どうも、これも、ラース・フォン・トリアーの創作らしいのです。したがって、この病気が何なのかを想像しても余り意味がないのですが、考えられるのは、遺伝性かつ後天的な失明ということで、強度な近視によって起きる網膜剥離くらいしかないと思います。つまり、網膜剥離が遺伝したというより、強度な近視が遺伝で、それによって網膜剥離が起きるということ。
 網膜剥離は、ボクシングの辰吉選手で有名になりましたが(やや古い)、現在わが国で増加中です(目の酷使や高齢化などが原因らしい)。この病気、1920年にスイスのゴナンが原因と治療法を発見しました。当時は赤く焼けたコテを白目に直接当てるという恐ろしいものでしたが、これで治癒率が5割を超え、治せる病気になりました。1961年にレーザー適用がアメリカで試みられていますし、この映画の舞台となった1960年代には、様々な治療法が登場しかなり治せる病気になっていたようです。映画の中で200ドル余り(現在の300~400万円?)を使って受けた手術はこのレーザー治療と考えることもできましょう(もちろん、ラース・フォン・トリアーはそんな設定はしていないでしょうし、当時のアメリカでレーザー治療がこの値段で済まないような気がします)。
 なお、現在では、強度の近視による網膜剥離は、かなり高い確率で治癒しますし、予防もできるそうです。
 日本では、眼科が、「楽な割に儲かる」診療科の筆頭に上げられることが多かったように思います。子育てが女性に押しつけられがちな困った国ニッポンでは、女子医学生に人気があるのも眼科医です。それに、命に関わる病気が少ないというのが、気楽さを増しているように思います。このこともあるのか、眼科医という、つげ義春の「ねじ式」を思い浮かべるのは私だけではありますまい。以前は、コンタクトでボロ儲けができ、白内障の人工水晶体が保険適用になり(1990)と、開業すれば儲かってしょうがない商売でしたが、最近では、眼科の経営も厳しいようです。

【books】
脚本が出版されていましたが、絶版です。
【videos, DVDs入手しやすさ】★★★★★
相当な話題作でしたから、レンタルDVDがどのショップにもあると思います。

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by harufe | 2005-06-24 23:45 | ICD H00-H59眼および付属疾患