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パニック・ルーム : Panic Room(2002/米)

E100 インスリン依存性糖尿病<IDDM>,昏睡を伴うもの

【staffs】監督 :デビット・フィンチャー
出演 :ジョディ・フォスター(Meg Altman)、フォレスト・ウィテカー(Burnham)、ドワイト・ヨーカム(Raoul)、ジャレッド・レト(Junior)、クリステン・スチュワート(Sarah Altman)
【prises】(not worth mentioning)
【my appraise】★★+(2 plus per5)
【prot】
 メグは、資産家で熟年の夫と離婚し、娘のサラと二人でニューヨーク市街の邸宅に越してくる。その邸宅は、大富豪が遺したもので、パニックルームと呼ばれる緊急避難室が設けられている。彼女たちが引っ越してきたことを知らない3人組強盗が、引っ越し初日の深夜、大富豪が隠した財産をねらって侵入してくる。
 メグとサラはパニックルームに逃げ込むが、サラが小児糖尿病の低血糖発作に襲われる。母娘は必死に外部への連絡を試みるが…。屋敷内を舞台にしたサスペンス。
【impression】
 それなりに面白く見られます。ただ、もう少し面白くなりそうでならないので、やや歯ぎしりしたくなる作品でもあります。
 特に、デビット・フィンチャー監督だから、とか、「ジョディが『ハンニバル』を蹴って出演した作品」というガセネタを信じていたりすると、期待を裏切られる気分になると思います(本当は、「ニコール・キッドマンが怪我をした代役に指名されて、カンヌの審査委員長を蹴って出演した作品」ということらしい)。
【medical view】
 ジョディの娘役の女の子クリスチャン・ステュワートが演じていたのは、IDDM(インスリン依存型糖尿病)です。彼女が常に気にしていた腕時計みたいなのは、グルコウォッチといって血糖値をモニタする機器だそうです。欧州でのみ認可されていて、日本ではもちろんアメリカでも認可されていないらしい。認可されていないようなものも使えるようなリッチなご家族ということなのでしょうか。

 IDDM(インスリン依存型糖尿病)は、1型糖尿病とも言われ、一般によく知られる生活習慣病である糖尿病(2型)とは成因が全く異なります。
 一般に知られている糖尿病(2型)は、中年以降、食生活・生活習慣や体質により発症するのに対して、1型糖尿病は過去のウイルス感染等が原因でインシュリンを生成する膵臓機能がダメージを受けるため生じます。その多くが小児期に発症しますので、小児糖尿病とも言います。

 この映画でうかがい知れるように、本人・家族共に、日常生活に気を遣います。また、学校で、子ども自らで血糖値をはかったり、インシュリン注射をしたりと、大変な苦労がある上に、残念ながら、他の子ども達から好奇の眼で見られることが多く、本人が精神的にも辛い思いをする場合が多いようです。
 詳しくは、日本IDDMネットワークのページをご参照下さい。
 この映画は、IDDMの家族や本人達の間で、一時話題になったようです(私の知るIDDMの高校生は知りませんでしたが)。糖尿病は、病気のコントロールがきちんとなされていれば、普段は無症状です。しかし、それを怠ると生命に関わる症状があらわれる場合があります。
 糖尿病を原因で、昏睡状態や意識レベルが低下するのは、糖尿病性ケトアシドーシス(基本的にIDDMのみ)や高血糖高浸透圧性昏睡が知られています。これらは、治療が行われていないために、体内のインスリンが無い・不足し、細胞が血中の糖を取り込むことができなくなる(血糖値が異常に高くなる)ことによって起こります。一方、インスリンのコントロールを間違えた場合、低血糖になることによっても、この映画のような症状が現れます。
【tilte, subtilte】
 あらすじにも書いてありますが、原題のPanic Roomは、主として豪邸で、強盗から襲われた場合に逃げ込めるように造りつけてある緊急避難部屋です。
【books】
 ノベライズが出ています。
【videos, DVDs入手しやすさ】★★★★★
 ビデオ・DVDともレンタルがリリースされています。話題作でしたから、どのショップにも必ずあります。

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by harufe | 2005-06-17 09:23 | ICD E00-E90内分泌栄養代謝疾患


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